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禁煙のすすめ

禁煙外来の第一人者
京都大学医学部特任教授・日本禁煙科学会理事長高橋裕子先生からのメッセージ

もし、あなたが今タバコを吸っているとしたら。
知ってほしい。タバコの本当の怖さを。

本当は知ってるよね?タバコが体に悪いってこと。

タバコの煙の中には、40種類を超える発がん物資をはじめとして4000種類もの化学成分が含まれます。タバコを吸っている人の、タバコのリスク(悪さ)は、現在でははっきりとわかっています。そして日本人が病気で死亡する場合、その原因の一番大きいのがタバコだとわかります。タバコは肺がんだけでなく、喘息などの呼吸器疾患や、糖尿病、骨粗しょう症、認知症などもタバコで生じたり重症化しますので、絶対に禁煙は必要です。

これも知ってる?吸ってない友達の健康にも悪いってこと。それが受動喫煙。

受動喫煙とは、他人が吸っているタバコの煙を吸わされることを指します。受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中、心筋梗塞、呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなるだけでなく、糖尿病、メタボリックシンドローム、精神疾患(うつ病・うつ状態)、認知症、化学物質過敏症などが増加します。妊婦や赤ちゃんへの影響はさらに重大です。妊娠中の受動喫煙によって、流産や死産、早産などのリスクが高くなり、低体重児の出産も増加します。また出生後には乳幼児突然死症候群(SIDS)、呼吸器症状(せき、たん、息切れなど)・気管支炎、肺炎、中耳炎などが増加します。

「人の近くでは吸ってないから大丈夫」では済まないからタバコは怖い。

受動喫煙は微量でも有害であり、完全に防がなければなりません。ところが煙は非常に拡散しやすく、屋内では1秒に7メートル広がるといわれており、屋外では風に乗って17メートルから25メートルくらいも広がります。換気扇の下で喫煙していても、煙は残ってしまうので受動喫煙の防止にはなりません。喫煙室を設けていても、出入りのドアからタバコの煙が漏れ出しますので、やはり受動喫煙防止になりません。ベランダ喫煙でも、扉の下の隙間から屋内に煙が侵入します。

吸い終わってからも残り続ける。本当に怖いタバコの毒。

目の前に喫煙者がいて受動喫煙を受ける「セカンドハンドスモーク」(二次喫煙)だけでなく、目の前に喫煙者がいないにもかかわらず受動喫煙にさらされる「サードハンドスモーク」(三次喫煙)も問題とされるようになってきました。壁やじゅうたんに吸着したタバコの煙は、そのあと長年にわたって蒸散します。これが三次喫煙です。三次喫煙のもうひとつの例が、屋外で喫煙して戻ってくる場合です。肺に残った有害物質は吸い終わってから長い時間にわたり呼気とともに出続けますので、吸い終わってすぐに屋内に入ると受動喫煙を生じることになります。髪の毛や衣服に吸着したタバコの煙も屋内に入ってから拡散しますので、屋内にいる人たちに受動喫煙を及ぼします。
以上でおわかりのように、喫煙を続けながら受動喫煙を防止することは不可能ですから、ぜひ禁煙するようにしてください。

いつでもやめられると思ってる?やめられなくなってからでは遅いんだよ。

タバコが止めにくいのは、ニコチン依存と心理的依存のためとわかってきました。タバコを吸い始めると、脳細胞の表面に特殊なニコチンレセプター(ニコチンの受け皿)が形成されはじめます。これがニコチン依存という病気の本体です。さらに、同じ動作を繰り返すことによる習慣化や「仕事で行き詰まったときに吸ったらうまくいった」といった記憶が心理的依存として加わることで、ますます禁煙が困難になっていきます。
吸い始めたら、やめるのがとても困難で、しかも病気になりやすくなることを考えて、絶対にタバコは吸わないことを決心してください。

「でも、オレのは軽いから大丈夫」って、本当に大丈夫だと思ってる?

少しでもタバコの健康影響を減らそうと、パッケージに表示されている数字(タール、ニコチンの含有量)の小さいタバコに替える人がいますが、意識せずとも深く吸ったり、何度も吸ったりと、吸い方が変わってしまううえに、有害物質を吸収しやすくする添加物が加えられていますので、からだが吸収する有害性の量は数字の大きいタバコも小さいタバコもほとんど変わりません。また少しずつ本数を減らして禁煙しようとする人もいますが、途中でニコチン切れ症状が出て挫折することも多く、 それよりも禁煙の薬を使用してきっぱりと禁煙することをお勧めします。
もし本当にやめられないのなら病院(禁煙外来)に相談しよう。1日でも早く。

高橋裕子先生のご紹介(2017年11月現在)

  • 京都大学付属病院 呼吸器内科禁煙外来 担当医
  • 京都大学大学院医学研究科・社会健康医学専攻健康情報学講座 特任教授
  • 国立病院機構京都医療センター 臨床研究センター 客員室長
  • 日本禁煙科学会(JASCS) 理事長
  • 日本きもの学会(JKA) 会長