平成17年7月8日
(社)全国高等専門学校体育協会
会長 四ツ柳 隆夫殿
近畿大学工業高等専門学校
校長 神野 稔
アメリカの大学では「スポーツ偏重による過大なスポーツ施設の維持管理が大学等の経営のひずみなり始めた。」と言われていますが、アメリカの大学スポーツ施設は、国際大会が開催できる競技場を持ったところが多くあり、各種目別競技場を持っているところが特徴です。
例えば、オレゴン大学ユージン校の場合、陸上競技場メイントラック、サブトラック、同様にサッカー、アメリカンフットボール、ベースボール、何十面というテニスコート、室内50メートルプール、同飛び込み用プール、各種球技別室内競技場、トレーニングルーム、シャワールーム、更衣室の全てを揃えています。
これらの競技施設は、競技選手も使っていますが、一般学生、市民も利用できるようになっており、公開講座形式のスポーツ教室も開催されています。
カリフォルニア大バークレー校の場合は、各種スポーツ施設だけでなく、ボーリング場なども揃えています。
カナダバンクーバーのブリティッシュコロンビア大学は、ゴルフ場、ヨットハーバーなども設置しています。
これらの大学スポーツ施設は国際基準のもので、国公私立高専にあるスポーツ施設と比較できる内容のものではありません。
高専のスポーツは、施設面から見ても、活動面から見ても、大学・高等学校に比して、十分とは言えません。
高専大会を止めて高体連や高野連に加入すればいいと言う意見もありますが、この方向のままでは高専スポーツは消えてしまいかねません。
アメリカの大学スポーツ施設が国際レベルにあるため、経営にひずみが来るというのは理解できますが、十分でない日本の高専にそれらをあてはめて比較など出来ないのではな
いでしょうか。
狙いは予算が毎年縮小するので、スポーツについても縮小させようというのではありませんか。
現代体育学では、スポーツを身体文化と同義に解釈し、かつ、身体教育の重要な手段でもあるとしています。
ロボコン、プロコン、デザコンとスポーツを同じレベルで扱うべきではないと言えます。
ロボコン、プロコン、デザコンは工業高専の工学技術レベルを競う場として、各工業高専は力を入れていますが、人間の幸せ追求や健康に係わるスポーツ活動と単純比較すべき
ではないと思います。
右肩下がりの経営における対策は、人件費削減と学費等帰属収入増が重要課題で、教育研究活動費の削減が優先すると競争力低下を招きます。
人員削減と若返り化の同時進行、競争的原理の働く給与システムの構築(能力給の導入)等を通しての総人件費抑制、学費収入増を原資とした、教育研究費の維持(能力配分)がなければ、競争的環境を作ることは出来ません。
ロボコン、プロコン、デザコンは、工業高専独自のイベントとして発展させることには異議はありません。
予算抑制のため、全体的経費を削減することには異議はありません。
全体的経費抑制のなかで、教育研究費を主たる削減対象にすることについては、競争力低下を招くという意味で賛同しかねます。
予算抑制の主たるものがスポーツである場合は、高専の活力低下になるので、異議を申し上げます。
過去の実績なども配慮されながら、微調整を重ねられますことを要望します。
以上
私立高専における経費削減策などを参考として意見を言わせて頂きます。教育研究費を毎年削減して行くと教育研究活動が全般的に地盤低下します。
消費支出の抑制は、能力給を導入した人件費抑制、業績を反映した研究費配分による研究活動活性化、実力に応じたスポーツ活動への援助などを前提とすべきで、一律カットはすべきでないと言えます。
人件費抑制は、賃金抑制、人員削減、早期退職優遇制度の導入や定年年齢の引き下げですが、定年年齢の引き下げについては高齢者雇用安定法に定める年齢まで再雇用を認めればトラブルは生じません。
早期退職優遇については、退職金について割増金が支払われますが、時系列で見ると総人件費は抑制されます。
人件費抑制は能力給の導入など、競争力の低下しない給与支払いが求められています。
これらの意見は、私学の意見で、国公立高専の実情とは異なるところが多々ありますので、ご容赦下さい。