平成二十三年四月八日に行われました、平成二十三年度近畿大学工業高等専門学校入学式における、校長式辞を掲載いたします。
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平成23年4月8日
近畿大高専入学式
校長式辞
入学おめでとうございます。
高度経済成長期、技術者が不足しているという産業界の要請により、昭和36年に5年一貫の高専制度が制定され、昭和37年に全国に国公私立の高専が設置されました。
制度制定には、国務大臣で科学技術庁長官、経済企画庁長官であった世耕弘一近畿大学初代総長・理事長も関わられ、近畿大学の併設校として本校を設置されたものです。
「中堅技術者」の養成機関として発足した「高専」ですが、近年、産業界からの「先端的開発技術者育成」の要請などもあり、全国の高専に専攻科が設置され、大学院への進学も含め、日本のイノベーションを担う人材の養成機関としての役割も担うように変貌してきています。
本校の専任教員は、博士26名、修士10名、学士12名で、特許取得者、技術士、1級建築士、外国人教員、全国レベルのスポーツ指導者などです。
本校では、「技術教育」のみならず、「科学」や「教養教育」も重視し、「知徳体」総合力の高い技術者の育成を目指しています。
さて、3月11日の東日本大震災は、世界一と思われていた日本の震災対策を打ち砕き、死者行方不明者が3万人に及ぶ事態となっています。
被災者の皆様に、哀悼の意を表します。
今回の福島原発事故を受け、世界各国のエネルギー政策の大修正が行われるでしょう。
太陽熱、風力、バイオマス、地熱等、自然エネルギーの利用は緒についたところにあり、現状での脱原子力は、豊かな社会を支える大量生産・大量消費を抑制する以外に道はないと言え、現実的には無理と言えます。
今回の原発事故を教訓に、無人ロボットなど科学技術の導入による管理・防災・安全対策が進むでしょう。
今後、省エネルギー、環境にやさしいエネルギーの開発と利用、人間の生き方を自然と共生させる方向転換に取り組まなくてはなりません。
震災対策も、被災地復興を通して、更なる安全策が取られるでしょう。
東日本大震災を通して、都市計画、防災、新エネルギー開発等、工学技術を学ぶ皆さんに対する課題が多く出ています。
入学生の皆さん、豊かでかつ安心して暮らせる世の中を築く工学技術者となれるよう、自己研鑽してください。
皆さんの、今後の成長を期待して校長の式辞とします。